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w-kama-syurui 阿弥陀堂

口造りは繰口、やや撫肩で、肩から胴にかかる境に鬼面の鐶付が付き、胴が毛切まで直線的にわずかに広がった形の釜です。
阿弥陀堂釜は、利休好みによって与次郎が作り始めたといわれ、大中小とあり、与次郎の弟子の弥四郎、藤左衛門をはじめ京釜師による写しが江戸時代を通じてあり、利休好みの釜としては最も残っているといいます。
阿弥陀堂釜は、有馬阿弥陀堂で利休が秀吉に茶を点てたときに使ったことからこの名が付いたとも、蘭若院阿弥陀坊の住職の猪首の大きな顔を見て千利休に命じ和尚の頭の形に似せて作ったからとも、釜を阿弥陀堂に贈ったことからとも種々の説がありますが、表千家四世逢源斎江岑宗左の著した父宗旦の聞書に、摂津有馬の阿弥陀堂住の僧が大きな釜が欲しいと利休宅に出入りする物読みの在俗僧を通じて依頼された利休が、切紙をもって与二郎に申付けたところ、出来上がった釜が思いのほか見事だったので自分で所持し、次の釜を阿弥陀堂の僧に遣わし、阿弥陀堂の僧が依頼してできた釜なので阿弥陀堂と名付けたとあります。